2009年5月14日木曜日

ベクトルプロセッサの死と誕生

なんか、ここ最近企業の赤字や人員削減の話が信じられないくらいほどでてきている。リストラされた人たちは一体どこに行くのだろう?と不思議なくらい、ものすごい数の人員削減が発表がされる。大手はみんな何百億円とか何千億円の赤字を発表して、社会がもつんだろうかって感じだ。GMももう駄目らしいとか普通にニュースになってて、そうなったらまた株の大暴落が起きるんだろうか。

そんな世界の大不況が、HPCの業界でこんな形であらわれるとは。日本の次世代計算機からNECが撤退だ。地球シミュレータで一世風靡して、つぎも大いに期待を受けていた、あのNECが国策を途中で放り出すなんて。本当にはじめニュースをみたとき、冗談だろと思ったよ。これほどのことをするってことは、NECはもう相当なんだろう。いやはや。

しかし、一方で、次の時代のCPUはスループットコンピューティングなんだと。ベクトルコンピュータに大いに影響を受けたアーキテクチャが続々と登場というながれなんだと。一部似ている部分があるというのに、一方は死にゆく定め、一方はこれから産声をあげる。

でも、スループットコンピューティングっていうが、具体的に収益を上げられる見込みって、どれだけあるのだろうか。GPUみたいなゲーム向けは前例はあるが、willの大勝利で、ちょっと将来の方向性には疑問が残る状態だ。開発費の高騰がそろそろ限界だとすると、これ以上馬鹿みたいに性能があがっても、ペイできないんじゃないだろうか。

ほかに、ビジネスが成り立つ分野ってはたしてあるんだろうか。きっと、一部のR&Dの部門で使われるようになるっていうのは、大いにあるだと思う。でも、大衆化するようなものがはたしてあるんだろうか?認識、抽出、合成と言っているが、果たして…。少なくとも、現時点ではない。

自分は、スループットコンピューティングというのは、可能性が将来に大いにあり、面白くてチャンスのある領域だと思う。しかし、現在、もうかなりスループットコンピューティングの世界に足を突っ込んできているのに、世界のどこにもそれが活かされていない現実をみると、非常にいやな予感がしてくる。

今回のHPC向けのベクトルCPUビジネスの死が、そちらの方向には、実は未来はないんじゃないかと予見、暗示しているようで、なおさらいやな感じだ。

でも、ものは考えようだ。地球に隕石が落ちて、恐竜が死に絶えたおかげで、陰でひっそり生きてきた哺乳類がその後に大繁栄をしたという話があるじゃないか。ベクトルという恐竜の死は、ひょっとすると、ほかの新種が生まれるのになにかつながるかもしれない。

それに、偶然か、我が身かわいさか、わからないけど、最近、よく脳型ってチャンスじゃね?って、まったく関係ない人たちと話していて、よくなる。不思議なほど。やっぱり自分はスループットコンピューティング=超並列時代には脳がくると思う。ロボットだって、脳いるしね。時代よ、もうすこし待ってくれ!