2011年3月5日土曜日

青い空、そよぐ風

そこまでマニアではないけど、攻殻機動隊は結構好きで、昔、大体一通りみた。

近未来に実現しそうな社会を前提に話が進むので、それを想像したり、受け入れられないとなかなか理解するのが大変。それでその社会で起きる問題が結構複雑。話を理解するのがやっとで、予想外の展開にひっぱりまわされ、非常に楽しかったなあ。

しかし、"イノセンス"で、ちょっと理屈っぽくなりすぎて、なんかちょっと残念な感じがした。

それで、この前、たまたまスカイクロラを見る機会があった。イノセンスのせいで全然期待していなかったんだけど、これはすばらしかった。

話の説明があんまりなくて、少しずつ事実が分かっていって、え、じゃあ、そういうことなの?っていうのが、結構、衝撃的で、SF的な要素もからんで、絶妙だった。

物語の設定では、登場人物たちの世界は、とても幸福な状況とは言えないんだけど、それでもそれが日常で、その世界を人々はたんたんと生きている。希望があるわけではないけど、絶望に満ちているわけでもない。

話が進むにつれて、だんだん、悲しい過去があきらかになっていって、もうどうしようもなくない感じになるけど、そんななかで主人公は最後にとてもやさしさを見せる。

主人公は、その後に戦死してしまうようで、ある種バッドエンドなんだろうけど、なぜか、すがすがしいとまでいわないけど、なにか余韻が残る。せつなくも美しいとはまさに言いえていると思う。青空の描写が非常に印象に残った。

なんとなくあいまいな話のようにも思えるが、そうではなく、いろんな世界の現実を見事に表現していると思った。世界の現実の中で、生きる人々の感覚、狂気、やさしさ、女、男。

ナウシカの最終巻を直前に読んでいたせいか、なにか似たような感覚がある気がした。絶望のなかで見つける希望、生きるという感覚かな?