2008年7月26日土曜日

GRAPE-DR

そろそろGRAPE-DRが出てくるみたいだ。一応、1チップのボードは販売中らしい。
試作チップの発表のときは、非常に魅力的だったが、現時点ではもうそれほどでもないという気はする。

倍精度250GFLOPSは確かにすごいけど、価格性能比で言ったら、GT200かR7002を3基積んだPCのほうが安くて、高性能だろう。FPGAをいじらないといけないとか、プログラム開発環境が?なのを考えると、一般的にはあまりうまみがない。

まあ、そもそも一般の人がGRAPE-DR使うことはない。GRAPEはきっと大規模なクラスタを組むことを見越しての製品だから、比較するのがナンセンスなのだろうか?

だから、POWER6とかと電力効率とかを重視して比較すべきなんだろうか。もしくは、この前TOP500で1位をとったXCellがライバルかな。

いろんな人が、いろんな目的で高速な計算を目指して計算機を作るけど、一番最後は、それを使って目的達成がうまくいけばいいわけだ。GRAPE-DRの場合は、重力多体計算がまず外せない目標としてある。

それに加えて、今回のチップの一番の特徴は、多用途に用いれる、汎用性だろう。だから、現時点で最高性能うんぬんで勝てなくても、性能の代償に汎用性を得たようなもんなんだから、これもできるあれもできるというのがでてくれば、本来の目的達成といえるんだろう。

多用途に実際に適用してみるというのは、簡単にできることじゃない。でも大学で開発したからこそ、それを利用する人材が見つかるという企業にない強みがあるかもしれない。

だから、本当の評価がでるのは2、3年後のことだろうか。いや、東大パワーでパッとアプリが出たりするのもありえるかな。

2008年7月23日水曜日

GT200対R600のはなし

GT200対R600の話をまた見つけた。

http://journal.mycom.co.jp/special/2008/gpu01/006.html

基本的には、後藤記事と趣旨は同じ。確認できるので、為にはなった。

どうも、「GT200はあんなんつくっちゃってやばそうだけど、汎用とかHPCでやってく道というのがひょっとしてありえるのかな!?」と世の中は思っていて、みんなわからんということのようだ。


最近では、Cellがいい試金石となるだろうか。高いパフォーマンスがあって、汎用CPUとして登場したが、その後どうなっただろう。ゲーム分野では、使いづらいと文句をいわれながら、なんとか性能を発揮している。一方、他の分野では、その凄い性能を生かすアプリが爆発的に広がるなんてことはなかった。

やはり、世の中、すべての分野で処理不足がおきているわけではないので、すべての分野で導入がされるなんてことはあたりまえだが、ありえない。逆に今の計算能力でできることをやるように社会構造ができているのだから、大抵のところは現状を維持してやっていける。だから、例え、Cellがあと10倍性能がすごくても、世間への普及なんてたいしてかわらなかったのじゃないだろうか。

性能向上が必要な分野がどれだけあるのか、どれだけ生まれるのか、その市場規模がプロセッサの開発、生産にとって十分大きいのか、そういう非常に予測し難いことを考えて、天秤にかけることになる。

どれだけの性能があったら、社会を変革するようなことが起きるだろうか。そう考えると、やっぱり、人間のある部分の知能におきかわる様な知的処理が実現する性能が得られたときじゃないかと思う。

だとすれば、あと少なくとも1000倍はいるだろうか。話がずいぶんと変な方向に来たな。

2008年7月7日月曜日

teslaのアーキテクチャ

GT200のアーキテクチャの話で面白いのがあった。ちょっと推測に推測が乗っかりすぎの気もするけど。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0707/kaigai452.htm

warpで何スレッド実行すべきとか、2命令同時発行がアーキテクチャ的にどうやってるとか、なんかうやむやでよくわからんずやっていたが、いろいろ突っ込んでいる。

とにかく、GT200で2命令同時実行の割合が増えているのはいいことだ。

データと命令のレベルの並列性ではなく、スレッドレベルの並列性というのが、良くわかるようなわからんような。演算の粒度は、結局スレッドを実行するユニットにしたがって、データも命令もそのレベルの並列性にはなるわけだろ?まあ、さきにスレッドが来て、あとは決まっていくということかな?

この人の話のストーリーだと、これがR700系では一方違いますとなると思うから、どうちがうのか教えてほしいなあ。

2008年7月2日水曜日

GT200とRV770

最近、GT200対RV770というGPU戦争が激化していて、興味津々でみている。
自分はCUDAしかできないので、NVIDIAに頑張ってほしいのだが、GT200のダイの肥大化や消費電力のひどさは、なんかやばいんじゃないかと心配している。

このGT200とRV770の戦いにどっちが優れているかという、大胆なタイトルの記事があった。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0702/kaigai451.htm

結局、どっちがいいとはいってないんだけど、最終的な結論として、NvidiaはGPU専門で、AMDはCPUもやってるという立場の違いが出ているといっている。正しいのか知らないけど、たぶんそうだんだろうと思う。

でも、最終的な市場の決断というのは、企業の立場で決まるのではなく、それがユーザーが望むようないいものかどうかで決まる。果たして、GPUだけでやっていく傾向のGPUと、CPUとGPUを組み合わせる傾向のGPUというのはどっちがよいものなんだろうか?

PCがCPUを必ず搭載する以上、そのリソースをうまく使える、CPU+GPUをやったほうが効率はいいはずだ。AMDの方がまっとうでスマートな作戦とみえる。一方、Nvidiaはいかにも無理してCPUっぽさを取り込んで、肥大化してるような気がして、消費電力の悪さもその結果のようにみえる。

しかし、NvidiaがやっているGPUにより汎用性を持たせる方向は、これまでにないプロセッサを作るようなもので、なにか新しい可能性を広げているような気がする。数千のスレッドがそれぞれ、汎用性の高い演算を行えるというのは、これまでになかなかないんじゃないだろうか。用途が思い浮かばないけど。

Cellは、アグレッシブなアーキテクチャで高い演算性を叩き出し、科学技術系の演算に、それなりに取り入れられている。賭けに勝ったと言えるかどうかまだわからないが。GT200もそんな賭けを吹っかけているようなもんの気がする。だとすれば、勝負はCUDAしだいなんだろう。がんばれNVIDIA!