2008年9月21日日曜日

TOP500

HPCのTOP500というのがある。まえに地球シミュレーターが一位を記録して、最近はroadrunner。この1位を狙って、各国しのぎを削っている。

たとえば、オリンピックで100m一位をとるのはすごいことだ。かっこいい、みんな賞賛する。しかし、それがなんかの役に直接立つのかというと、うーん、よくわからない。決して、意味がないからやめろということではない。人類にとって、非常に意味は大きいと思うし、意味があるからこそ、富と名声を得るのだ。でも、具体的にどんな貢献があるのか、それがよくわからないから、具体的に感じたいのだ。

こんなことを言い出すのは、HPCのトップを目指すことに意味はあるのだろうか?ということを考えたからだ。半端じゃないお金がかけて、直接、人類に意味があるとは考えにくい、LINPACが速くなって、それに意味はあるんだろうか?いや、意味があるんだろうきっと、そして、たぶん意味があるから、人類はみな競っているのだ。

でも、どういうふうに意味があるんだろうか?roadrunnerが早いおかげで、CellのHPCブランドは間違いなく上がっている。国で見れば、アメリカのブランドイメージが上がり、HPC分野の人材が集まってくるかもしれない。わずかでも勝っていれば、その他敗者とは隔絶のなにかを得られるものだろうか。う~ん、まあそうなのかもしれない。

地球シミュレータが1位を取った時は、メディアの注目はすごかったと思う。そうすれば、国内の予算も流れてきやすい。ああ、それはインセンティブとして大きいかもな。

やはり、1位になって得られるものというのは、名声、ブランドイメージなのだろうな。宣伝効果が半端ないということなのだ。

わかりにくいものだが、やっぱり意味はあるのだ。

2008年9月17日水曜日

いってみたいようなCEDEC

CEDECでunreal engineを作った人が講演をしたそうだ。
http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20080912053/

数年前、UE3のサンプル画像を見て、驚愕したもんだが、この人が作ったのか。しかも、チームもかなり少人数なんだな。すごい。

内容がかなり面白かった。ゲームエンジンの宣伝的な側面ももちろんある話だけど、それだけじゃない、最前線にいるからこそというのが伝わってくる。

科学技術計算に使われる並列計算というのも、結局はこういう民生技術の向上に大きく依存しているから、生産性が非常に重要という流れは、きっと科学技術系の計算にも、その流れや恩恵がやってくる。確かに、脳の計算でも手動でやるのはもう限界というのが、いろいろ出てきていて、そういうところに役立つだろう。

話は次世代のゲーム機を意識した感が非常にあって、そういうビジョンを聞くのは面白い。やっぱり、次世代は、大体5TFLOPS前後の性能を見越しているようだ。科学者というのは、こういう未来技術を予測して、研究というのはあまり必要に迫られないのでしないが(こういうのがでてきたから使おうとか、技術そのものをつくりだそうとはするけど)、こういう人たちはまさに飯のタネだから、当たり前にそういうことをしている。えらいし参考になる。

もうひとつ非常に気になる話が、並列プログラミングの新しい形について。確かにそろそろ限界に近付いているような気がする。しかし、本当に理にかなう、心から同意できる、スタンダードっていつか確立するんだろうか?しばらくハードの進化が停滞でもしないと、プログラミングのモデルもなかなか決まらないなって思うなあ。

あと、意外だったのがLarrabeeを絶賛しているところ。そうなんだ。あれはやっぱり本流なんだ。ということは、やっぱり予想外のブレイクの可能性はあるんだな。

それにしてもこういう話をきいていると思うのが、ますます科学技術とゲームが近寄っていくなということ。PS2, PS3でLinux搭載でクラスタ利用って話がでてきて、今のHPCトップはそのCellだしなあ。また、NvidiaもHPCソリューションやってますとかだしてたり。そして、今後実用化されるゲームの性能っていうのは、ますます、科学技術計算で望まれるようなレンジの性能になる。逆に、ゲームでも流体とか科学技術計算の流用があるし、グランツーリスモのモデリングなんか、シミュレーションうっているようなもんだし、ゲーム方面も少なからず、科学技術を欲している。

面白い。ゲームと科学を融合した会社つくったら面白いんじゃないかな。

2008年9月3日水曜日

いってみたいなHot Chips

Hot Chipsのレポートを安藤さんがしている。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/08/30/hotchips2/

Larrabeeから、FPGA、XCell、自動車の自動走行など、短いけれど盛りだくさんのレポート。う~ん。実際にいって聞きたい!けど、英語なので…。

いろんなことに興味があって、いろんなことを追い求めてるうちに、なんか全てが半導体につながってくるような気がしてきた。汎用処理プロセッサは、なんでもやってくれるんだな。そして、まだまだいろんな大変なことをやって欲しいから、Hot Chipsでも面白いことがいっぱい集まってくるんだろうな。

他にも、こんなTSVの話があったそうな。

実用での問題はコストということで、もう時間の問題だろう。10年以内でぎりかと思っていたが、もう少し早い時期、5年以内には本格化するかも。これがでたら、また半導体業界が激変ですよ。