2009年8月26日水曜日

祭りの終わり

PS3 slimが発表された。最近、HPC系であまりニュースがなかったせいもあり、深夜の速報をみながら、ひさびさにどきどきわくわくしながら、発表を待っていた。

slimで29990円。やったー!!!別に買うわけじゃないんだけど喜んでしまう俺。

発表の興奮冷めやらず、しばらく、slimの情報をあさっていたら、otherOS撤廃の公式っぽい情報を見つけた。まじ…???

実はこのうわさは、slimのうわさとともにしばらく前からあがっていた。まさかないだろうと思いつつ、そういえばと思うような兆候が、いくつもあったといえばあった。まあ、クタタンがいなくなったことがそもそもといえば、そうである。

Cellのエコシステムは、完全に引導を渡された形だな…。まあ、これがあってもなくてもどうだったかなという気もするが、ひとつの楽しみは確実に消されてしまったことは確かだ。

もしotherOSがサポートされてたら、これからslimが普及して、中学生とか高校生が、夏休みとかに試しにOS入れてみて、遊んだりするとか、多分、すっごくあると思うんだ。Cellでマルチコアを始めて勉強したとか、アーキテクチャの勉強したとか、ものすごいありうると思うんだ。高専でクラスタ作って、円周率の計算とかやったりすると思うんだ。

なのに、なんでこんな馬鹿なことを…。そう考えていたら、ふと、次世代計算機からNECが撤退したことを思い出した。あれももったいない、なんでと思ったもんだ。

そう、結局、どちらも同じ理由なんだ。立ち行かなくなり、背に腹は変えられないほど、ほんとうに瀕死の状態なのだ。Linuxなんかサポートしてたら、死ぬのだ。死んだら元も子もない。だったら、Linuxぐらい切るのである。PS2互換だって切るのである。そりゃそうだ。屁にもならない。借金もたまっている。普及度も3位である。下手したら、本体から切られる。

これで、もしPS3が持ち直すことができれば、この変更は、大英断として語り継がれるだろう。そして、PS4はゲームであるというスタンスで行くことになる。もう、ずば抜けた性能は要らない。作りやすい、わかりやすいハード、環境を第一に目指すだろう。

あるビジョニストの妄想からはじまった夢。ゲームを飛び越え、コンピュータでエンターテイメントの世界を築くという壮大なビジョン。それは、家庭用のスパコンをつくりだし、世界一のコンピュータをも実現した。しかし、祭りは終わった。ゲームに戻らなきゃいけなくなったのだ。いやー、でも最高に面白かったなあ。こんな痛快なことはなかなかない。

またいつか、ゲームと科学の垣根を越えた祭りに参加したいな。

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