2009年11月30日月曜日

女流漫画な日

本屋に行って、のだめの最終巻と江古田ちゃんの最新刊を買った。
めずらしく女流漫画家ばっか。

のだめが最後に先輩のもとを去っていく、バッドエンド気味な終わり方かもと思ってたんだけど、そうはならなかった。なんか、もう読んでて泣きそうw やっぱ、女の人って、なんか物語のレベルが高いな。いろいろ登場人物のやりとりの描写が高度?で、一回読んだんじゃわからないようなところがある。もう一回、1巻から順番に読みたいな。あーでも、こりゃいい漫画だった。10本指に入るな。

江古田ちゃんは、意外と読むのにガッツがいるのでまだ半分も読んでないが、相変わらず面白い。読んでて理解不能なのがたまにある。ある種表現の限界に挑んでいるな。作者の年の女特有の世界だから、理解しにくい部分もあるような。それにしても、全裸率や陰毛率が高いなw

2009年11月26日木曜日

ばかなの?死ぬの?

知的クラスタという事業がある。自分はちょっと関わっていた(?)ことがあり、結構、本格的にいろいろやってんなと思っていた。最近はもう離れていたが、なんと知的クラスタは事業仕分けで"廃止"とでたらしい。産官学連携も廃止らしい。

えーーーーーーー!?

結構、企業やら大学やらが集積してやっていて、大掛かりでやっていたのに、いきなり来年には吹き飛ぶわけ?遊びじゃなくて、自動車の超有名どころも来てたけど吹き飛ぶわけ?これは、ひどいことになるんじゃまいか?

しかも、知的クラスタって地方の事業でしょう。疲弊した地方で、唯一研究オアシスみたいなところだったのを、潰すとは…。知ってる人も働いているけど、一体どうするんだろ…。

身の回りでも、今回の事業仕分けで被害を食らっている人がものすごいいる。 一杯グラント取ってて、減額になりそうな人がいる。業績的に今年こそ取るだろうと思ってたら、応募できなかった人もいる。優秀な人に限って、この仕打ち。こういう人達は厚遇しないとでていっちゃうよ、本当。

なんか、よく知らんが、報ステによると、東北の有機ELのプロジェクトも潰すらしい。 もう、ばかなの?めちゃくちゃじゃない?スパコンだけどうこういってる場合じゃなくなってきたぞ。まだまだ、知らないのにそれ切っちゃうの?っていう、馬鹿みたいな事例が多分鬼のようにあるぞ、これ。

そんな、そこまでひどい無駄遣いが発覚したとかではない、比較的普通な、幅広いプロジェクトに対して、いきなり、今年度あと半年しかない状況でいきなり廃止って、ばかなの?
どれだけの人が雇用関係にあるかとか考えたら、景気に対してもすごい悪影響出るのわかるだろう。こんないきなりなむちゃくちゃ、裁判で訴えれないだろうか?

国でやるってなかば決めている話なんだから、普通、最低でも1年前くらいに廃止検討してますとか、アナウンスして周知徹底して、異論反論を引き受け、その上で雇い人の次の雇用の世話ぐらいして、それからだろ、廃止なんていっていいのは。まだ、自分のみに危険が迫っているのを知らない人とか結構いるぞ、きっと。

そりゃ、馬鹿みたいな事業ってのも世の中いっぱいあるんだろうけど、普通の事業をこんな、気が狂ったように切りまくるとは…。

総理大臣も汚職が深刻なようだし、一体どうなるんだろ。それとも、これから、日本の身の丈にあった社会になっていく必然の流れなのだろうか…???いや、違う、絶対違う。

2009年11月21日土曜日

ひきこもごも

今週は、次世代スパコンで騒がしかったが、一方他にも結構なニュースが。

まず、長崎大の浜田さんがGPUのスパコンでゴードンベル賞を取ったらしい!すごーい。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091120AT1D2007C20112009.html

日本、いや世界のGPUコンピューティングの星です。(天体計算だからって、だれがうまいこといえry)。日本の大型スパコン凍結の一方、地方大学の人が世界の最高峰の賞を取るというのは、なんか皮肉というか、今後の日本のスパコンにも強い影響を与えること必死!

次世代スパコンにも続報。スパコン見送りで大ブーイング、スパコン見送り再考なんてのがきました!
http://www.asahi.com/digital/bcnnews/BCN200911200010.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009112000391
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091120-OYT1T00381.htm
意見が割れるというのは、ある意味思考のプロセスが働いているということだから、まあよかったよね。いろいろ中身を改善すべきところはあるかもしれないが、大枠でどうすべきかはもう、賢い国民は皆わかっているのだから、そうならざる終えないよね。民主主義ですから。

その一方で、ちょっと悲しいニュース。Cell は、XCell8iで終了
http://www.osnews.com/story/22518/IBM_Halts_Future_Cell_Development
最近、32コア版のロードマップの話が全然でてこなかったから、駄目かと思っていたらやっぱ駄目でした。あーあ。PS4どうすんでしょう。これは、Larrabeeの将来にもつながる話だろうか。でも、IBM的には部分的にCPUに統合していくというので資産を活かしていくという思想はあるみたいだな。GPUとCPU統合に近い方向のIBM版。

2009年11月19日木曜日

雨降って地は固まるだろう

スパコンの凍結は、削減対象としてある意味シンボル的に取り扱われたような感があったが、逆に削減が妥当であったか見直すべきもののシンボルとして扱われつつあるような感じ。まあ、どうなるかわからないけど。

でも、ふと思い返すと、今回のスパコンの議論は、ハードの問題とともに、シミュレーションの存在の立ち位置見たいなのをよく映し出しているような気がして、よくよく考える機会としては良かったのかもしれないと思う。

シミュレーションていうのは、簡単に言えば、物事の大事な本質を抜き出して再現することだ。それで現実には難しかったり、不可能な状況を作り出して、どうなるかな?って試すことだ。例えば、飛行機の形を決めるときに、どんな形が飛ぶのに効率がいいのかなっていうことを試す。普通にやったら、実際に何回も飛行機を作って試すところを、シミュレーションだったら実際に作らないで、行く通りもいろんな形を仮想的に作って、何回でも飛ばして、試せる。最近は飛行機のほか、自動車とか新幹線の設計にそういうのを利用しているそうだ。

そういうのって、一体いくら儲かるのかとか、何が発見できるのかとか、まあなんとかして定量化とか説明はできるけど、あまり直感的じゃない気がする。やっぱり実際のものを扱った研究のほうが説得力とかわかりやすさはあるような気がする。だから、シミュレーションがわかりにくいのは、しょうがないのだ。シミュレーションとはそもそもそういう、いまいち直感的なものではない。あくまで、まねたもので、仮想的に試しているだけだから。それにシミュレーションは、はじめに、現実のものから得たデータは必要だし、シミュレーションの結果は、実際に現実の世界で試して見ないと確かめられない、リアルなデータに寄生するもろい存在でもある。それでも、シミュレーションが必要とされるのは、現実世界の広大な可能性の探索が途方もなさすぎて、その解決の活路が見出されそうだからだ。

もうひとつ今回の議論で、あらためて気づいたのが一般の人のスパコンに対する、いや、もっといえばや科学、研究というものに対する印象だ。恐らく、一般の人は研究が博打であるということをあまり知らない。一般の人にとって、科学や研究というのは実直で真面目で堅実なものという印象なのではないだろうか。自分だって、この世界に来る前には、そう思っていたと思う。でも、実際には全然違うもので、博打のようにあたればいいけど、失敗したら大変なものだという、やくざな商売で、当初、少し唖然としたことを覚えている。それから、自分の科学とか教授に対する見方ががらっと変わった。科学の分野にいると、いつしかそんなことは当たり前になって気にも留めなくなるが、恐らく一般の人は、そういうものだということを知らない人がほとんどだろう。事業仕分けのような議論には、いろんな人の立場の違いから生じる認識の違い、乖離が大きく反映されていると思う。事業側の説明する人ががそういう立場の違いを把握できなかったとか、仕分け側の説明を受けるほうが理解できなかったとか、双方で批判はあるけど、たぶん、しょうがないことなんだと思う。今まで、こういうのを公にみんなで議論しようなんて機会がなくて、はじめて、恥も外聞もなく意見をぶつけ合って、今回は問題が起きているんだと思う。きっと、説明する側も追及する側も、次はお互いもっとうまくできるようになるだろうと思う。それこそ、あるべき姿なのだろう。

今回の議論では、スパコンを含め、具体的に成果が得られて意味があるのかを厳しく問われたと思う。でも、科学というのは、上でも言ったように、これがこうなったらこういうことがわかって、次はこうなって見たいなことが始めから決まっていたり、わかっていることはほとんどない。逆にわかっていて、それがこれに必ず使えて、何年後にこれだけ儲かりますって言うのがわかっていれば、企業がとっくの昔にやっているはずなのだ。半導体のプロセスルールの微細化はある種そういうもので、技術の発達を進めるのは企業だ。

じゃあ、利益が出ない研究を国がやる必要があるのかっていう話になる。でも、何でもかんでも即座に利益がでるように進むはずはなくて、数年で利益につながるものもあれば、20年、30年後に利益が出るようになるものもある。企業だと20、30年研究する前につぶれてしまって、利益に結びつかないけど、もし20、30年研究できて完成すれば、ものすごい利益がでてきそうなんてのが、おぼろげに見えていたとする。そういうのを企業が手を出せないので放置しておくというのは、非常にもったいないなあ、もうちょっと長いスパンの大きな組織でやれるなら是非やって、利益を享受したいなあと思ってやるのが国の研究だ。

また、国の研究なら、市場での利益だけじゃなくて、人類にとって意味のあると考えられるものの探求、人間とは何か、この世は何か、ということを追求して、国民に還元することも、目的とすることができる。例えば、税金納めたうちの1%くらいなら、自分はどこからきて、この世はどういうもので、これからどうなるのかということに国がお金を使ってもいいと、皆思うんじゃないかな?まあ、90%使われたら怒ると思うけどさw サッカーが好きでお金を払って見に行ったり、音楽が好きでお金を払って聞きに行ったり、小説が好きで本を買って読んだり、歴史が好きで史跡を旅行で回ったり、そういうことと同等に、科学でこの世について探求した結果をみんなに還元して知ってもらうことは、なかなかお金には換算しにくいけど、みんな興味があって、そういうことがちょっとは必要だということは納得できるんじゃないかな?

 などなど、あまり全体としてまとまらないけども、研究者も、一般社会の人も、お互いに良く知って、そもそもお互い何のためにやっているのか、どうやって国は研究をなりたたせているのかを知るのはいいことだなと思った。

政権交代で、いろいろ壊れて、混乱は起きるだろうとは思ったが、やはりそもそものところから見直すことが必要なのだ。そういう注目を受けることは、きっとスパコンとかシミュレーションの産業にとって、実は非常にプラスだということにはっと気づいた。

2009年11月15日日曜日

次世代スパコンの凍結したときのその後の前向きな妄想

ただ文句ばっかりいってても面白くないので、 もし凍結したとしてどうなるか?を少し前向きに妄想してみる。

凍結したのは、そもそも、1200億ぐらいの予算を、そもそもこういうプロジェクトに使っていいのか、予算に見合う納得できる成果を挙げる見込みがないんじゃないかという物言いから来ている。 今の国の状況みれば、単にお金ないから、予算減らしたいと。

1年凍結するとしたら、今のプロジェクトのままで世界一は恐らく難しくなるので、方針を変えるか、やり方を変えて世界一を目指すかしないといけない。

世界一を達成しつつ、多くのアプリケーションを走らせられるのが当初の理想だが、 そもそものところ、そこを根本的に考え直して、妄想してみよう。

今回の件で、「世界一」というキーワードがトラウマになって、政治的にそれを目指すのをやめるとかいうのが現実にありえそうだが、そういうのは置いといて、何を優先順位として持ってくるべきか、考えてみよう。

多くのアプリケーションを走らせるという哲学は、今のプロジェクト全体の流れや、科学技術発展への寄与ということを考えて、絶対外せないだろう。問題は、世界一を目指すかと、スパコンを国内メーカーに発注するかどうかだ。

スパコンを国内メーカーに発注するかどうかは、これはもう政治の問題のような気がして、科学の領域を超えているような気がする。国が完全に国産スパコンをあきらめて、IBMのBlue Geneでやれっていう号令がかかれば、そうやってできないことはないだろう。結局、現政権が、海外からの外部調達でよいとするのか、国で技術を持っておきたいとするのかの考えが反映するんだろう。コストパフォーマンスで完全に考えると、一瞬、海外メーカーがよさそうな気がする。

ただ、すでにこれまで500億ものお金を使ってきたわけで、海外メーカーに変更したらまた新規で費用がかかり、トータルで得なのかよくわからない。結局損するってことはありえそうだ。とにかく短期的なコストの削減にはつながらなそうだ。また、富士通から切り替えるとなったら、恐らくいろんな保障の問題などが起きそうだし、富士通の業績に影響するとなったら、市場経済の混乱にもなり、国としてはいろいろリスクを取らざるを得ない。

一方、世界一レベルの案件をいきなり海外メーカーに頼んでも、即座に対応はできないだろうから、時間的ロスはかなり起きるのではないだろうか。他のCPUやネットワークにするといったら、結局、設計からやり直すことになるから、時間かかるよね。その結果、ひょっとしたら、当初の予定から2、3年遅れるかもしれない。

こういうトータルのコストと時間的ロスを考えると、今から海外メーカーに変更はあり得ないと考えざるを得ない。メッセージとして示すために、ガラッと変えるという可能性はあるが、メッセージを示すのだけにやるには、あまりに得なことがなさすぎる。次々世代で変えればいいってなるんじゃないかな。

それじゃ、国産の線はいいとして、規模の変更をするかということになってくる。一部である議論が、一つの大きなスパコンじゃなくて、小さいのを行きつも全国に点在させるという案だ。たとえば1ペタを10個全国にばらまくとか。より多くの利用者を獲得できるという案。

しかし、これは箱モノを10個、新規に作らないといけなくなって、その土地の用意とか工事とかにまた時間がかかる。神戸にだけ最初に作って、他は少し遅れてもいいとかならいいかもしれないが。しかし、箱ものにお金がかかるから、予算は増えるよね、きっと。規模が縮小するといっても、電力もそこそこかかるから、それを供給できる場所をみつけて、用意するのは結構大変だろう。なんか、ぽっと思いつきで変更できるような案じゃないな、きっと。だから、これも現実的になし。

あくまでも凍結後も世界一を目指すという方向でいけば、ありえそうなのが、アクセラレーター系を足して、ピーク性能を大幅に増加させるという方向。CellとかGRAPE-DRとかGPGPUとかは最近はやっているから、あり得ない話じゃない。ツバメとか理研のスパコンとかは異種構成で、日本では意外と多い。問題は、これも全体の構成をおおきく変更するので、箱モノとかが立て直しとかになったり、ネットワークの構成もやりなおしになり、時間的に2、3年はロスが起きるであろうこと。あと、特殊なデバイスを足すのは、利用者側には負担になるだろうな…。

こうやっていくつか考えてみると、凍結して得になる案というのがなかなか思いつかない。うーん、実際のところなにか具体策があっての凍結なのだろうか?仕分けた人たちは、なんか考えているんだろうか?

一番ありえそうなのが、単に規模を縮小し、世界一は目指さず数ペタ?レベルで、1年後に再起動。予算を半分とかにして、利用者の教育資金の割合は増やします、とかはありえそう。物への投資ではなく、人への投資ですということで、利用効率を最大限に挙げます!とかのスローガンで、結局、泣きを見るのは富士通。

あ、でもまてよ、予算半減で、箱モノの中のスペースは半分余っているから、そこにGPGPUを1年遅れでアップロードしていきます、みたいなのは面白いかもしれない。それなら、理研は得意なはずだ。そう簡単に、空いているから入れるみたいなのがうまくいくのかが、完全に素人の妄想だが、予算的にはGPUは安いからいいかも。

あ、これいいなあーw そうなったら、自分GPUもやってますんで是非お願いしたいwなんか、本当にこれ意外とあり得そう。でも、ちょっと迷走し過ぎっていう批判も各所からでてきそうではあるな。

はーい、妄想終了

追妄想:
1年後というのは、FermiもLarrabeeもでているはずである。ここは思い切って、Larrabeeを大量導入して、世界初のLarrabeeスパコンっていうのも面白いかもしれない。Fermiでもいいけどね。SPARC with GPGPU。もう完全の趣味の世界全開バーストな妄想です。はい。ありがとうございました。

次世代スパコンの事実上の凍結

今、スパコン業界はどこにってもこの話で持ち切り。

「次世代スパコンの事実上の凍結」

どうも、ネットの様子を見ていると、6、7割以上(?)は、"なんてバカなことを…"という意見で、残りは"まあ妥当じゃないか"という感じ。思ったより凍結は支持されてない印象。おお、やはり日本の国民の知能は低くなかった。よかった。まだ救いだ。この仕分けがマスコミに取り上げられて、問題化すれば、たぶん翻ることもあるんじゃないかという気もしなくもない。むずかしいかな?

このプロジェクトは、確かに、そりゃもろ手を挙げて最高っていうだけじゃなくて、いろいろ問題をかかえてはいたけど(NEC脱退とか)、それでも、仕分けるようなもんじゃないのは確かだ。

このまま何十年やってもできる見込みが立たないっていうもんじゃなくて、もうさ来年には出来上がるという代物で、設計図もできているし、基礎の部分、建物も完成して、ご本尊のCPUも試作はできてて、これから物をいれてくという状況。っていうか、来年度にできなかったら、逆に意味がなくなるので、そのスケジュールを達成しようと必死にやっているとこ。さぼってお茶飲んでいる余裕がある人なんかいないだろうな。

それに、スパコン上で走るアプリはいっぱい計画されていて、やる意味がわからない胡散臭いものなんかでは全然なく、科学技術の発展のために、 ナノテクノロジー、気象、宇宙、タンパク質、生物、脳、その他たくさんの最先端の専門家が結集して、最先端のスパコンを使い倒して、成果をだそうとしている、科学技術の発展に非常に重要なプロジェクトだ。

費用対効果なんて、それこそ計り知れない。

新しいタンパク質の構造があきらかになって、薬ができて、それが日本人の生命に役に立ったら、それはどれだけ得することになるわけ?それで特許とって世界で売ったらいくら儲かるわけ?

地震のメカニズムの理解に役立って、被害を回避に役立ったら、いくら儲かるわけ?台風の予測もそう。

温室効果の予測が立って、被害の予測とか、回避する方策を立てるのにつかえたら、地球全体で一体いくら儲かるわけ?もし、何万人って人が災害で死ぬかもしれないのを回避することにつながるとしたら、それは一体いくら儲かるわけ?もう値段なんか付けらんない。

遺伝子の解析結果が、病気の治療につながっていったらいくら儲かるわけ?これはごっついと思うよ。

今半導体につかっているシリコンは、ムーアの法則で限界きそうだとかいってて、新しい材料を探し始めているけど、それをスパコンでシミュレーションする方法もあって、実際の物で試すだけよりコスト削減になるみたいで、見つかれば、半端なく儲かるけどいいの?MRAMなんかの次世代の不揮発性のメモリの素材開発だって、シミュレーションで探しているぞ?

宇宙とかのことがわかっても、利益にならんというかもしれんが、それはさ、みんなが生きている世界が、そういうところなのかってわかることっては、人生にすごい意味あるよ。お金ではかれなくても、みんなが面白いとか、へえ~って納得できて、そういうことって、個人個人の人生の行く末に、実はすごく効いてくることだと思う。

脳だってそうで、自分はどういう風にして考えているのか、自分はなんなのかって知ることは、人類の悲願だ。それにつながるなら、もう儲かるとか超越しているでしょ?でも、脳は儲からないわけじゃなくて、それこそ脳の治療や、脳型の情報処理システムにつながっていくので、儲からないわけがない。ロボットに脳が必要だろうってのは、誰だってなんとなくわかるはず。これからロボット産業が発展していくんだから、その脳は当然必要になってきて、大きな市場につながっていく。

こういう儲かるのを全部足してったらさ、たぶん1000億の投資なんて屁みたいなもんだ。しかも、もう半分予算使って、もうすぐ完成って時に止めるなんて…。

このプロジェクトは、どっかのダムみたいに、いつまでにこの予算でできるっていうのを思いっきり裏切って、目途がまだたってないわけじゃなくて、ほぼ予定通りできてて、やること自体は意味がすごくあるのは誰でもわからないわけがないというやつだ。NECの離脱があったとはいえ、それも何とか乗り越え、まじめに約束を守ってやってきて、しかもその成果は国のために非常に重要なのに、それを突然なんだかやめろというのは、誰も得しない状況。

しかもこの決定は、せっかく自分のところのお金を持ち込んで頑張っている富士通との約束を反故にするという、わけがわからない状況を生むのも問題だ。NECの場合とは逆に、国が訴えられても文句言えないんじゃないか?

半導体の問題よりも、さらに深刻なのはそれを使って科学技術を推進する人たち、人的資産をぶち壊すことだ。はっきりいって、半導体は、時間が過ぎればどんどん新しいのがでてくるから、まだ替えはきく。でも、人間はそうはいかない。こんなことをしたら、みんなプロジェクトからでていってしまう。半導体と違って人間を製造することはできない。プロジェクトで集まっている人は決して烏合の衆なんかではなく、各分野のプロフェッショナルだ。そういう人たちを失ったり、そういう人達の信頼を損なうのは、とんでもない損失だろう。これからどれだけ稼ぎだすかわからない、金の卵たちかもしれないのに、ものをぶっ壊すのといっしょに、人まですりつぶすなんて、一体何の得があるのだろう。

ちょっと、熱くなって長文になってしまったが、本当に意味がわからない決定だというのが、自分の意見。

まあ、たぶん、勘だけど、この凍結の決定はそうすんなりはいかないんじゃないかと思う。短時間で、よくわからない人たちだけで決めていいようなことじゃないし、きっと多くの一般国民もおかしいと思うだろう。

何週間かかけて、プロジェクトのヘッドも入れて、議論すればいいのに。なんでこんなことすんだろう。

スパコンについて特に書いたけど、スパコンだけじゃなくて、Spring8とか若手の科研費とかその他の事業だとかひどい状況だ。 科学技術立国とかいっておいて、若手の育成のお金を切るとか、誰が見たっておかしいでしょ?繰り返すけど、人的資産の損失は将来に深刻な影響を与える。人に投資するんじゃなかったの?温室効果ガスの削減25%は科学技術でやるんじゃないの?

なんかここまでおかしいと、なんかの謀略か外圧とか勘繰りたくなるが一体なんなんでしょう?まず、科学事業に関して、事業仕分けを画策した人は一体誰なんだ?どういう基準で、事業を選んだの?仕分け人の人選もそう。その過程の情報を開示するのが筋だ。どうせ公開討論とかやるなら、そこからやるべきだ。

ふー、熱くなったぜ。我がブログ史上、最長なんじゃないか?まあ、文句ばっかいっててもどうしようもないときってのもある。国ばっかあてにしててもしょうがないからな。自分でできることをやっていくのみ。

2009年11月8日日曜日

今年のベスト

なんか、すごい盛り上がって、すごいうけて、すごいかっこよくて、 なんだかよくわからないというもの。



Number Girlはちょっと好きだったけど、その後にまさかもう一段進化するとは思ってなかった。いや、もう一段どころじゃないか。

JBみたいでもあり、説法のようでもあり、めがねでもあり、舞台のようでもあり、お笑いのようでもあり、プロレスみたいなところもあり。

2009年11月7日土曜日

世間話

先日、あるHPC関係の人とたまたま話す機会があった。
ちょっと世間話になって、NvidiaのGPUの話になった。最近、ぽつぽつと計算機センターとかにも入り始めていたりするから、こういう話にもなる。それで、今、どうやらGT200がかなり品薄というか、ないらしい。

ああ~、もうすぐFermi出るしねと思ったら、どうやらFermiは出るのはまだしばらくかかるらしい。多分3月くらい?もっとかかるかも?

まあ噂話なんで、どれくらいこのソースが確かなんてわからないわけだが、どうもその他のうわさとあわせて考えてみても、本当っぽい。

 AMDはもう新しいのでてるのに、そんな半年も遅れるの?しかも、最近、AMDのGPUはかなり受けていて、うれているらしい。あと半年もなにもでなかったら、Nvidia餓死しちゃうんじゃないの?

なんて思ってたら、Nvidiaの最近の利益はすごい出ているってニュースを今日見た。あれれ?思いのほか儲かっているのね。 一体、Nvidiaってなにが一番儲かっているんだろう?実はIONとかが稼ぎ頭で、ハイエンドGPUってあんま関係ないのかな?

そういえば、ハイエンドはあんまり儲かんなくて、数もたかが知れていると昔聴いたような気がするな。F1みたいなもんだな。

ふーん、そうなのか。よくわかんないような、わかるような。Fermi対応のCUDA3.0は開発者版はでてるっていう情報もあって、これまでどおりならすぐ対応GPUもでそうなもんだけどなあ。

今年中には予定だけでもはっきりするみたいだからまあいっか。あんまり遊んでる場合でもないしな。来年の春まではおとなしく仕事しろという神のお告げかな…。