2009年11月15日日曜日

次世代スパコンの凍結したときのその後の前向きな妄想

ただ文句ばっかりいってても面白くないので、 もし凍結したとしてどうなるか?を少し前向きに妄想してみる。

凍結したのは、そもそも、1200億ぐらいの予算を、そもそもこういうプロジェクトに使っていいのか、予算に見合う納得できる成果を挙げる見込みがないんじゃないかという物言いから来ている。 今の国の状況みれば、単にお金ないから、予算減らしたいと。

1年凍結するとしたら、今のプロジェクトのままで世界一は恐らく難しくなるので、方針を変えるか、やり方を変えて世界一を目指すかしないといけない。

世界一を達成しつつ、多くのアプリケーションを走らせられるのが当初の理想だが、 そもそものところ、そこを根本的に考え直して、妄想してみよう。

今回の件で、「世界一」というキーワードがトラウマになって、政治的にそれを目指すのをやめるとかいうのが現実にありえそうだが、そういうのは置いといて、何を優先順位として持ってくるべきか、考えてみよう。

多くのアプリケーションを走らせるという哲学は、今のプロジェクト全体の流れや、科学技術発展への寄与ということを考えて、絶対外せないだろう。問題は、世界一を目指すかと、スパコンを国内メーカーに発注するかどうかだ。

スパコンを国内メーカーに発注するかどうかは、これはもう政治の問題のような気がして、科学の領域を超えているような気がする。国が完全に国産スパコンをあきらめて、IBMのBlue Geneでやれっていう号令がかかれば、そうやってできないことはないだろう。結局、現政権が、海外からの外部調達でよいとするのか、国で技術を持っておきたいとするのかの考えが反映するんだろう。コストパフォーマンスで完全に考えると、一瞬、海外メーカーがよさそうな気がする。

ただ、すでにこれまで500億ものお金を使ってきたわけで、海外メーカーに変更したらまた新規で費用がかかり、トータルで得なのかよくわからない。結局損するってことはありえそうだ。とにかく短期的なコストの削減にはつながらなそうだ。また、富士通から切り替えるとなったら、恐らくいろんな保障の問題などが起きそうだし、富士通の業績に影響するとなったら、市場経済の混乱にもなり、国としてはいろいろリスクを取らざるを得ない。

一方、世界一レベルの案件をいきなり海外メーカーに頼んでも、即座に対応はできないだろうから、時間的ロスはかなり起きるのではないだろうか。他のCPUやネットワークにするといったら、結局、設計からやり直すことになるから、時間かかるよね。その結果、ひょっとしたら、当初の予定から2、3年遅れるかもしれない。

こういうトータルのコストと時間的ロスを考えると、今から海外メーカーに変更はあり得ないと考えざるを得ない。メッセージとして示すために、ガラッと変えるという可能性はあるが、メッセージを示すのだけにやるには、あまりに得なことがなさすぎる。次々世代で変えればいいってなるんじゃないかな。

それじゃ、国産の線はいいとして、規模の変更をするかということになってくる。一部である議論が、一つの大きなスパコンじゃなくて、小さいのを行きつも全国に点在させるという案だ。たとえば1ペタを10個全国にばらまくとか。より多くの利用者を獲得できるという案。

しかし、これは箱モノを10個、新規に作らないといけなくなって、その土地の用意とか工事とかにまた時間がかかる。神戸にだけ最初に作って、他は少し遅れてもいいとかならいいかもしれないが。しかし、箱ものにお金がかかるから、予算は増えるよね、きっと。規模が縮小するといっても、電力もそこそこかかるから、それを供給できる場所をみつけて、用意するのは結構大変だろう。なんか、ぽっと思いつきで変更できるような案じゃないな、きっと。だから、これも現実的になし。

あくまでも凍結後も世界一を目指すという方向でいけば、ありえそうなのが、アクセラレーター系を足して、ピーク性能を大幅に増加させるという方向。CellとかGRAPE-DRとかGPGPUとかは最近はやっているから、あり得ない話じゃない。ツバメとか理研のスパコンとかは異種構成で、日本では意外と多い。問題は、これも全体の構成をおおきく変更するので、箱モノとかが立て直しとかになったり、ネットワークの構成もやりなおしになり、時間的に2、3年はロスが起きるであろうこと。あと、特殊なデバイスを足すのは、利用者側には負担になるだろうな…。

こうやっていくつか考えてみると、凍結して得になる案というのがなかなか思いつかない。うーん、実際のところなにか具体策があっての凍結なのだろうか?仕分けた人たちは、なんか考えているんだろうか?

一番ありえそうなのが、単に規模を縮小し、世界一は目指さず数ペタ?レベルで、1年後に再起動。予算を半分とかにして、利用者の教育資金の割合は増やします、とかはありえそう。物への投資ではなく、人への投資ですということで、利用効率を最大限に挙げます!とかのスローガンで、結局、泣きを見るのは富士通。

あ、でもまてよ、予算半減で、箱モノの中のスペースは半分余っているから、そこにGPGPUを1年遅れでアップロードしていきます、みたいなのは面白いかもしれない。それなら、理研は得意なはずだ。そう簡単に、空いているから入れるみたいなのがうまくいくのかが、完全に素人の妄想だが、予算的にはGPUは安いからいいかも。

あ、これいいなあーw そうなったら、自分GPUもやってますんで是非お願いしたいwなんか、本当にこれ意外とあり得そう。でも、ちょっと迷走し過ぎっていう批判も各所からでてきそうではあるな。

はーい、妄想終了

追妄想:
1年後というのは、FermiもLarrabeeもでているはずである。ここは思い切って、Larrabeeを大量導入して、世界初のLarrabeeスパコンっていうのも面白いかもしれない。Fermiでもいいけどね。SPARC with GPGPU。もう完全の趣味の世界全開バーストな妄想です。はい。ありがとうございました。

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